マウスピースを使った矯正方法であるインビザラインは、目立たないことや取り外しが可能なことなどの魅力があり、多くの方から選ばれています。
前歯の歯並びが気になり、インビザラインを検討している方もいるのではないでしょうか。
そこで、インビザラインで前歯を矯正したい方のため、前歯のみの矯正が可能なのか、どういったメリットがあるのかなどを解説します。
この記事を読むことによって前歯をインビザラインで矯正する上でおさえておきたいポイントがわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
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インビザラインの概要
そもそもインビザラインとはどのような矯正方法なのかというと、オーダーメイドで製作したほぼ透明なアライナーと呼ばれるマウスピースを使った方法です。
1～2週間ごとに段階を踏んで新しいマウスピースと交換し、少しずつ歯を動かしていきます。
マウスピースは透明なので目立たないことに加え、矯正治療で定番のワイヤーを使った方法と比較して痛みが少ないのも特徴です。
自由に着脱可能であることから食事や歯磨きをする際は普段通りに行えます。
関連記事：インビザラインとは？失敗しないために矯正歯科認定医が徹底解説
治療の流れ
まずカウンセリングが行われ、その後に精密検査に進みます。検査の結果をもとに治療計画を立てていく形です。
インビザラインは「クリンチェック」と呼ばれるソフトを用いて3Dデジタル分析ができるのが特徴です。
クリンチェックでは3Dで取り込んだ歯型データや治療計画などに基づいて治療シミュレーションを行い、それに沿った形でマウスピースを製作します。
可視化する形で歯がどのように動くのか確認できない一般的なワイヤー矯正とは異なり、事前に治療過程が細かく分かるのが魅力です。
最終的にどのような形まで歯並びが整うのか事前にわかっていれば、モチベーションを保つことにもつながるでしょう。
また、治療シミュレーションの結果を受けて「ここの角度はこのように変えたい」のように要望を伝えることも可能です。
インビザラインのメカニズム
インビザラインでは歯にマウスピースを装着して少しずつ矯正していきます。
これは、歯根膜と呼ばれる歯根と骨の間にある薄い膜の働きを利用した方法です。
矯正治療で歯を動かそうとすると、力を加えて引っ張られた側の歯根膜が伸びます。
反対に押された側の歯根膜は縮むことになるのですが、歯根膜は元の厚みに戻ろうとする働きを持っているのが特徴です。
引っ張られて伸びた歯根膜は元に戻るために骨を溶かす細胞によって縮み、縮んだ歯根膜は隙間を埋めるために新しい骨を作ります。
この働きを利用して少しずつ歯を動かしていくのが矯正治療です。
インビザラインでもワイヤー矯正でも基本は同様なのですが、インビザラインの場合はこれをマウスピースで行います。
マウスピースは1～2週間で新しいものに交換が必要です。マウスピースが新しいものに変わるたびに少しずつ歯が矯正されるように作られています。
1枚のマウスピースで動かせる範囲は約0.25mm～0.35mmです。 小さな力で無理なく少しずつ動かすことから痛みを抑えられます。
マウスピースを新しいものに交換したタイミングで少し痛みを感じることもありますが、ワイヤー矯正ほど強い痛みが出ることはほぼありません。
インビザラインで前歯だけ矯正できる？
前歯のみ歯並びが悪くて悩んでいるのであれば、インビザラインで前歯だけの矯正に挑戦してみると良いでしょう。
インビザラインでは部分的な矯正も可能で、特に軽度から中等度の歯並びの乱れに対して高い効果を発揮します。
部分矯正で使われるのは、主にインビザラインライトやインビザラインGo、エクスプレスなどの製品です。
なお、前歯だけの矯正ができないケースもあるので、詳しくは後ほど紹介します。
関連記事：前歯だけに限定される矯正治療「部分矯正」の内容・メリットを解説
インビザラインで前歯だけ矯正するメリット
インビザラインですべての歯ではなく前歯だけを矯正することにより、全体矯正と比較して費用を抑えられる、治療期間が短くて済む、着脱が容易といったメリットがあります。それぞれ解説します。
関連記事：部分矯正で後悔しないために！メリット・デメリットを詳しく紹介
治療費用を安く抑えられる
インビザラインで前歯のみ矯正する場合、全体矯正よりも数十万円程度費用を安く抑えることができます。
前歯は非常に目立つ部分なので、前歯の歯並びに問題があるとコンプレックスにもなるでしょう。
人前で口を開けて笑えないと感じている方もいます。ですが、歯並びが気になるけれど矯正は費用が高くついてしまうから悩んでいる、諦めているといった方も少なくありません。
前歯のみ矯正ならば費用を抑えられるので、矯正をしたいと考えているけれどあまり費用がかけられない方は前歯のみの矯正で済まないか相談してみると良いでしょう。
注意点として、インビザラインは長期間にわたって行う矯正治療です。
歯科医院の中には月額数千円程度でインビザラインの治療が行えるとしているところもありますが、総合すると30～40万円程度はかかることになるのでほんの数千円～数万円程度でできる治療だとは勘違いしないようにしましょう。
治療期間を短縮できる
前歯のみの部分矯正は全体矯正と比較して治療期間を短縮できるのがメリットです。
これは、全体矯正と比較して限られた範囲の矯正でするためです。
非常に簡単な矯正で済む方の場合、ほんの3ヶ月程度で完了することもあります。
インビザラインは取り外しが可能な装置ですが、それでも全く何も付けていないのと比較すると手間やストレスを感じるはずです。前歯だけの矯正であれば治療期間が短く済むので、そういった負担も軽減されます。
ゴールまでの道程が見えているので、モチベーションを維持することにもつながるでしょう。
どの程度期間がかかるかは個人差があるので、歯科医院で確認してみてください。
着脱が容易である
インビザラインは、着脱可能な矯正方法です。
例えば、食事する際に取り外せば、矯正をしていない時と同じように食べられます。 また、取り外すことによって歯磨きしやすくなるのも大きなメリットです。
矯正には他にも昔から行われている有名な方法としてワイヤー矯正がありますが、ワイヤー矯正は歯磨きをする際に歯ブラシがワイヤーやブラケットと呼ばれる部品に引っかかってしまいやすく、磨き残しが発生してしまう方もいます。
ですが、インビザラインは歯磨きをする際に取り外して自分の歯を磨けるほか、マウスピースも目で確認しながら清潔にお掃除可能です。
食事をする際は基本的にマウスピースを取り外すことになるので、マウスピースに食べかすなどが付着する心配はそれほどありません。
ですが、長時間マウスピースを装着したままの状態でいなければならないため、雑菌が繁殖しやすくなります。 毎日水洗いをしたり、歯ブラシでやさしく磨いたりして清潔に保ちましょう。
なお、マウスピースはいつでも取り外しができるものの、外している時間が長くなればその分矯正終了までに時間がかかってしまいます。
一日当たり、できれば22時間ほどは装着しましょう。 つまり、食事とブラッシングの時間以外はほぼ装着しているイメージです。
「好きなときに取り外せる＝付けたい時だけ付ければ良い」治療ではないので、注意しましょう。
インビザラインで前歯のみ矯正する場合の費用相場
インビザラインで前歯のみの矯正をする場合、かかる費用の目安は30～40万円程度です。
全体矯正の場合は70～100万円程度、またはそれ以上かかることもあるので、全体矯正と比較すると費用を抑えることが可能です。
ただ、どの程度費用を抑えられるかはそれぞれの歯の状態によっても異なります。
インビザラインの治療を受ける場合は、矯正装置を作る費用のほかにかかる費用も忘れずに確認しておきましょう。
矯正治療を受ける際には、先に精密検査が必要です。また、細かい調整を行いながら矯正を進めていく形となるため、1回あたり数千円の調整料がかかります。
装置の費用が他院より安くても調整料が高くついてしまうことがあるため、費用を比較する際には総合的にいくらかかるかで比較すると失敗しにくいでしょう。
自分の場合は具体的にいくらかかるかについては、実際にカウンセリングと検査を受けてみなければわかりません。
インビザラインは保険が適用されない
インビザラインは歯科医院などで行うことになりますが、虫歯や歯周病といったものの治療とは異なり、保険適用の対象外です。
保険適用にはいくつかの条件が定められており、インビザラインはそれらに該当しないことから全額実費での治療となります。
ただ、確定申告の際に医療費控除の対象になる可能性があります。
これは、矯正にかかった治療費や交通費の一部が所得から控除されて税金が返金される仕組みのことです。
インビザラインによる矯正治療を検討している方は医療費控除申請で税金が返ってくるか確認し、必要な場合は忘れずに確定申告で申請を行いましょう。
なお、インビザラインによる矯正を行っている多くの歯科医院では、クレジットカードやデンタルローンといったものを取り扱っています。
そのため、一括で費用を支払えない方でも検討しやすいでしょう。
どういった支払い方法に対応しているかは治療を受ける歯科医院で変わってくるので、よく確認しておいてください。
インビザラインで前歯のみ矯正する場合かかる期間
前歯のみインビザラインで矯正するのにかかる期間は個人差がありますが、数ヶ月～1年程度です。全体矯正の場合は2～3年程度かかることになるので、治療にかかる期間を大幅に短くできます。
これは、全体矯正と比較すると歯を動かす本数が少なく、動かす距離も短いためです。
ただ、インビザラインは目的の位置まで矯正できたら終了ではなく、そのあとに動かした歯を固定するための保定期間が必要になります。
前歯のみの矯正であっても保定期間は全体矯正と変わりありません。
保定期間は一般的に2年ほどです。
保定期間には歯が元の位置に戻るのを防ぐためのリテーナーと呼ばれる器具を使用します。徐々にリテーナーの使用時間を減らしていく形です。
総合的に考えると2年数ヶ月～3年程度で部分治療が完了する形となります。
これはあくまで一般的な機関であり、個人差があるので、よく医師に確認しておくと良いでしょう。
インビザラインの場合は治療結果を踏まえて治療計画を設計します。治療完了までの道程もわかりやすいのが特徴です。
関連記事：矯正治療後に使うリテーナーとは？保定期間について解説
治療期間が長くかかってしまうケース
想定していたよりも治療期間が長くかかってしまうことがあります。大きな原因は、歯の状態の悪化です。
例えば、インビザラインの治療を開始してから虫歯ができてしまった場合、先に虫歯治療を行わなければなりません。
マウスピースを装着すると、口の中が乾燥しやすくなるほか、汚れを洗い流す役割を持った唾液が歯に届きにくくなるので虫歯になってしまうこともあります。
そのため、普段から念入りにケアを行わなければなりません。 ケアを怠って虫歯になってしまった場合、症状によっては歯を削ったり、被せ物をしたりする必要があります。
すると、これまで使用していたマウスピースが合わなくなってしまう可能性も高いです。
その後の治療計画も含め、総合的に見直しが必要になると、予定していた以上に長い治療期間がかかることになります。
当然ながら、このような理由で治療期間が長くかかってしまった場合、追加の費用が発生することになります。
マウスピースをすべて作り直すようなことになれば、一からインビザラインの治療を開始したのと同程度の費用が発生する可能性もあるので、虫歯には特に注意しておきましょう。
インビザラインで前歯だけの矯正ができない場合
基本的にインビザラインで前歯だけの矯正に対応することは可能ですが、ケースによっては矯正できない場合もあります。
例えば、症状が重度の場合や、八重歯、噛み合わせに問題がある、抜歯が必要になるような場合です。
こういったケースでは前歯のみの部分矯正ではなく、全体的な矯正を行うことになります。
また、噛み合わせが深い過蓋咬合や前歯がうまくかみ合わない開口、受け口の場合は細かく噛み合わせを調整しなければなりません。
部分矯正だけでは噛み合わせが調整できない可能性があるため、これらの症状に該当する場合も部分矯正できない可能性が高いです。
前歯のみの矯正では、奥歯の噛み合わせまで改善できません。前歯だけを矯正すると全体の噛み合わせが乱れてしまう可能性もあります。
一般的に前歯のみの部分矯正で動かせる範囲は、前歯から犬歯までです。これ以外の部分も矯正したいと考えている場合は、部分矯正以外も考える必要があるでしょう。
無理に部分矯正を行って噛み合わせのバランスが崩れてしまった場合、頭痛や肩こりなどの不調に繋がる恐れもあります。
確かに部分矯正は費用を抑えられますが、製作されるマウスピースの数が少ない方法を選択すると予定していた期間で理想の歯並びにできない可能性がある点にも注意が必要です。
結果として追加費用が高くついてしまうこともあります。
関連記事：八重歯矯正の方法は？費用や期間を徹底解説
インビザラインで前歯の歯並びを整えよう
いかがだったでしょうか。前歯のインビザライン矯正について紹介しました。
インビザラインでは前歯のみの矯正が可能で、費用を抑えられる、治療期間が短く済むなどのメリットがあるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
これからインビザラインによる前歯の矯正をしたいと考えているのであれば、渋谷の矯正歯科「渋谷ルーブル歯科・矯正歯科」へご相談ください。毎年1,000人以上の矯正治療実績があり、2種類のマウスピース型矯正に対応しています。
この記事を監修した人
医療法人社団ルーブル 理事長
愛知学院大学歯学部卒業後、愛知県を中心に多くのクリニックを持つ医療法人清翔会グループに入職。2019年12月に『渋谷ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。2022年12月にはグループ医院である『新宿ルーブル歯科・矯正歯科』を開院。
「気軽に相談できる歯のコンシェルジュ」をモットーとし患者との「コミュニケーション」を重要と考え、1人1人に合わせた「最善の治療」提案している。
【略歴】
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- しんファミリー歯科 矯正監修
- 大手審美歯科クリニック 代診勤務医
- 医療法人清翔会 エスカ歯科・矯正歯科 院長就任
- 渋谷ルーブル歯科・矯正歯科 独立開業
- 医療法人社団 ルーブル設立 理事長就任
- 新宿ルーブル歯科・矯正歯科 開業
【所属団体】
- インビザライン社公認 ダイヤモンドプロバイダー
- インビザライン(マウスピース矯正)認定医
- インコグニート舌側矯正 認定医
- winシステム舌側矯正 認定医
- 日本矯正歯科学会 所属
- 日本成人矯正歯科学会 所属
- 日本顎咬合学会 所属
- 日本外傷歯学会 認定医
- 日本アンチエイジング歯科学会 所属
- 日本歯科審美学会 所属 他多数
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